下部消化管(大腸)内視鏡検査について

下部消化管内視鏡検査は、約10mmのスコープを肛門から挿入し大腸を観察します。画像をモニタで観察しながら、同時に撮影します。検査の間(15分前後)は、お腹が張った感じが少なからずあります。

病気をより詳しくみるために、拡大したり、色素を散布したり、特殊な光を用いて詳しく観察することもあります。また粘膜の一部を採取し(生検)、病理検査をする場合もあります。取りきれるポリープがあった場合は、粘膜を切除します。

結果は、当日お話しできますが、組織検査を行った場合などは、1週間程度の時間がかかります。

検査の手順

まず検査前に、内視鏡検査の経験の有無、また、受けたことがある場合はその時の様子、現在かかっている病気、飲んでいる薬、薬剤アレルギーの有無等を確認します。

腸管洗浄液(下剤)2リットルを自宅で飲用し、来院していただきます。水分(お水、お茶)は飲んでいただいてかまいませんが、朝食は摂らずに来院してください。なお薬の服薬に関しては、ご相談のうえ、必ず服用法をお守りください。

腸管内がきれいになり次第、検査可能な状況となります。便の状態がきれいになりづらい方は浣腸する場合もあります。

検査着に着替えて準備完了です。

リラックスした姿勢で、少し足を曲げた形で、横を向いて検査台に寝ていただきます。

肛門に麻酔薬を塗って、局所の麻酔をします。

内視鏡を肛門から挿入します。検査中は空気(二酸化炭素)を送り腸管をふくらませますので、お腹が張った感じがあります。また途中で体の向きを変えることがあります。検査中は会話が可能です。検査時間は、個人差がありますが、おおよそ15分程ですが、処置が必要な場合は随時、検査時間は長くなります。

検査終了後、一度トイレに行っていただきます。腹部の張りは、通常約2時間程でなくなります。当クリニックでは、二酸化炭素を使用していますので、検査後のお腹の張りが軽くなります。

検査後の注意事項

食事

検査後、30分くらいしたら、飲水は開始しても構いません。
生検した方は、検査後1時間くらいして、消化のよい食事をしてください。

生検した場合やポリープを切除した場合

まれに生検や切除したところから出血することがあります。検査当日は激しい運動をせず、安静にして下さい。
飲酒や熱いお風呂は、出血の原因となりえますので、検査当日はお酒を控えて、入浴はシャワー浴程度にしてください。
ポリープを切除した場合は、1週間ほどお酒を控えていただきます。また当日の食事は刺激物を避け消化の良い物にしてください。

検査前の食事等について

検査前日

検査食を利用していただく場合があります。検査食を使用しない場合は20時頃までに、消化の良い食品をお摂り下さい。20時以降も水やお茶などの水分はとっていただいてかまいません。検査前の食事は繊維分の多い野菜や、海藻、きのこなどは避けていただきます。

検査当日

朝食は摂らずに絶食でお願いします。

便秘がちの方

検査数日前から下剤の内服をする場合があります。

検査費用について

下部消化管内視鏡(全大腸内視鏡)を受けられますと、検査当日には、1割負担の場合、費用は1600円ほどかかかります。この他、病理検査や拡大観察など必要な場合は、追加費用がかかります。